昨年暮れに愚息(次男)が東京で結婚式を挙げました。相手の方は仙台出身、3年前に息子と同じ部署に配属されてきました。披露宴の最後に新郎の父親がお礼の挨拶をするという通例があります。友達や教え子の披露宴でのスピーチ経験はこれまで何回かありますが、親の立場でのあいさつは初めてで自信もないので、図書館でスピーチ例文集を調べました。当然のことながら型通りの挨拶…。私が最も避けたい挨拶パターンでした。やはり思った事を正直に述べようと決めました。以下、当日私が話した内容です。
姉から電話がありました。「持って帰った重子(家内)さんの服の中にあんたが今度の結婚式で着るモーニングが紛れ込んでいたわよ。重子さんの服に守られるかのように大事に包まれて入ってたんよ。始めは何とも思わなかったけど、しばらくして、重子さんの洋服の中から一番いい服を着て結婚式に出れば重子さんも間近であの子の式がみられるわ!」実の姉ながらその優しさに胸に熱いものを感じました。
私が一連の出来事で思ったのはこんなことです。人の出会いについて、あの人に出会えたのは奇跡だ!偶然だ!といいますが、私達人間の力を超えた何かが働いているような気がすることが結構あるのです。年を取ることは偶然と見えることの中に必然的な力(宗教とは限らない)を感じてしまうことではないかと思うのです。(最近の生命科学の分野では、祈りも大きな実現力を持っているという研究があるとか。)